なぜ浮気相手に悪口を言うの?

夫が浮気相手の女性に、「最悪の妻」「一緒にいるのが耐えられない」「家事が下手」「結婚したことを後悔している」など悪口メールを送っていたことが発覚しました。悪口を言っていたという事実は、離婚の際こちらに有利に働くでしょうか?

不満があるなら直接言うべき!

メール陰でこっそり悪口を言うなんて、卑怯で陰湿な行為ですね。しかも妻の悪口を浮気相手に言うなんて、男の風上にも置けないふるまいです。もしあなたに対し不満があるなら、直接伝えるべきですよね。夫が浮気相手にあなたの悪口を言うのは、あなたを嫌っているからというより、夫婦間の不和をアピールして相手女性の気を引きたいためだと考えられます。「妻とうまくいっていないんだ…」と不幸な夫を演じてよその女性を引っかけようとするのは浮気男がよく使う手口です。あなたは「自分に落ち度があったのかも」などと気にかける必要はまったくありません。

名誉毀損に問うのは難しい

法悪口を言うという行為が刑法230条の名誉毀損罪や同231条の侮辱罪にあたるか検討してみましょう。まず名誉毀損罪は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する」と規定されています。一方、侮辱罪は「事実を摘示しないで、公然と人を侮辱すること」で成立します。ポイントは両方に共通する「公然」というワードです。「公然」とは、判例では「不特定または多数の者が認識しうる状態」と解釈されています。夫と浮気相手の二者間のみであなたの悪口が言われている限りでは、名誉毀損罪や侮辱罪に問うのは難しいと考えられます。

あなたの悪口を大勢に言いふらしていたり、不特定多数の人の目に触れるSNSに書き込んだりしている場合には、名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性はあります。ただし、SNSの書き込みをおこなったのが夫もしくは浮気相手本人であることを立証しなければならず、発信情報開示の請求をする必要があります。

モラルハラスメントになる?

では、悪口は精神的DV、モラルハラスメントに該当しないのでしょうか。モラハラとは継続的な精神的暴力により結婚生活を破綻させる行為であり、単発的な悪口だけで即モラルハラスメントが認定されるわけではありません。悪口のみを理由に慰謝料を請求するのは事実上難しいでしょう。

慰謝料増額につなげよう

お金夫の不貞行為により離婚や慰謝料を求めるなら、まずは夫と浮気相手の間に肉体関係があることを示す証拠が必要です。肉体関係を匂わせるLINEやメールのやりとり、クレジットカードの利用明細、ラブホテルのカード、レシート類など、浮気を客観的に証明できるような証拠をあらかじめ集めておいてください。

また、不倫の慰謝料の金額においては、年齢や婚姻期間、子供の有無、収入などのほか「関係修の努力の有無」も影響します。夫があなたときちんと向き合わず浮気相手に悪口を言っていたという事実は、夫が夫婦関係修復の努力をまったくしていないことを如実に表しています。慰謝料が増額できる可能性がありますので、悪口メールは写真に撮るなどして保管しておきましょう。

本来なら、人生の伴侶として夫は誰よりも信頼できる存在であるはず。その夫が浮気しているだけでなく浮気相手に悪口を言っているとなると、これは二重の裏切りです。あなたの精神的ダメージも倍増でしょうが、悪口を逆手にとってより多くの慰謝料獲得につなげましょう。「おバカさんたち、慰謝料増額のチャンスをありがとう」というくらいの心持ちでいてくださいね。

悪口を逆手にとって利用しよう

聞かない夫が浮気相手にあなたの悪口を言うのは、あなたを嫌いだからというより、相手の気を引くためである可能性があります。夫と浮気相手の二者間の悪口のみでは、名誉毀損罪や侮辱罪に問うのは難しいでしょう。

悪口を理由にモラルハラスメントを訴えるのは困難ですが、不倫の悪質性を補強する要素にはなると考えられ、慰謝料を増額できる可能性があります。