「夫婦関係の破綻」を主張された!どう対抗する?

浮気相手に慰謝料請求したところ、「(夫から)夫婦関係は破綻していた、と聞いていた」と支払いを拒否されました。でも実際には、浮気相手は夫婦関係が本当に破綻していたとは思っていなかった様子です。こんなとき、浮気相手から慰謝料を支払ってもらうにはどうすればよいのでしょうか。

おさらい!慰謝料を請求するための条件

不倫相手に慰謝料を請求する際には、次の二つの要件を満たしている必要があります。

  1. 浮気相手に故意・過失があること
  2. 夫婦関係が破綻していなかったこと

1について

相手が既婚者だと知りつつ不倫した(故意)、もしくは相手が既婚者だと不注意により気づかず不倫していた(過失)ことを指します。相手女性が「夫婦関係はすでに破綻していると聞いている」と言ったということは、夫が既婚者だと知っていたことを示しています。

2について

夫婦関係の破綻について明確な法律上の定義はありませんが、夫婦関係を継続させる意思がすでになく、もはや回復の見込みがないまでに関係が悪化している状態と考えればよいでしょう。慰謝料はそもそも、幸せな夫婦生活を送る権利を侵害したことに対する損害賠償として認められるもの。夫婦関係が破綻してしまうことにより、法によって守られるべき権利も消えてしまうので、破綻後に始まった不倫に対しては慰謝料請求をすることができません。

夫婦関係の破綻とはどんな状態?

夫婦関係の破綻は簡単に認定されるものではありません。別居は重要なメルクマールですが、一時的に家出している程度ではまだ修復の可能性があるとみなされ、破綻とは認められません。最低でも3~5年程度の別居期間が必要とされます。同居していたとしても、長期間セックスレスだったり、生活スペースが完全に分断されていたり、生活上の協力関係がまったくなかったりなどの実態が証明されれば破綻認定される可能性があります。

単に仲が悪い、会話が少ない、寝室が別などという状態では夫婦関係の破綻にはあたらないことを頭に入れておいてください。

「妻とは冷え切っている」は浮気夫の常套句

そもそも相手女性が「夫婦関係の破綻」を持ち出してきたのはなぜでしょうか。そのように反論すれば支払い義務から逃れられると第三者からアドバイスを受けた可能性もありますが、夫本人の口から聞いたと考えるのが自然です。「妻とはもう心が離れている」「法律の上だけの関係」「妻と別れて君と結婚したい」など、妻との関係が冷えていることを匂わせて女性を不倫関係に誘うのは、浮気する夫の定番の手法です

それでは、夫が「夫婦関係はもう破綻している」とウソをついて相手に近づいた場合は、相手女性は不倫の責任を問われないのでしょうか。この場合にも、夫のウソを信じてしまったことに対し過失があるとされ、相手女性は慰謝料支払いから逃れられません。

また、相手女性が「寝室が別なら夫婦関係は破綻しているのだろう」と考えたとしても、前述のようにそれだけでは法的には破綻と認められないわけですから、やはり慰謝料の支払い義務があります。

相手のほうが破綻を証明しなければならない

裁判となった際には、破綻を証明しなければならないのは相手女性のほうです。相手が破綻を証明できない場合にはあなたの慰謝料請求が認められます。あなたのほうでは、破綻していなかったことを示す証拠を積極的に提示していきましょう。不倫期間中に夫婦や家族で出かけた記録や写真、夫とのメールのやりとりなどは、あなたたちが夫婦関係を維持していたことの証拠となりえます。

夫婦関係は破綻していないことの証明が大事

慰謝料請求をするには、(1)相手に故意・過失があること、(2)夫婦関係が破綻していないことという要件を満たす必要があります。浮気相手が夫婦関係の破綻を理由に慰謝料支払いを拒否した場合、裁判の場で破綻を立証しなければならないのは相手のほうです。あなたは夫婦間のメールのやりとりや家族写真など、夫婦関係が破綻していなかった証拠を用意し、相手の主張に対抗していきましょう。